自然科学、恋する寄生虫

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「恋する寄生虫」藤田紘一郎著。
というものを古本屋で900円で買いました。
何気なく見かけて欲しくなって、そのまま数時間で読了してしまいました。
著者は感染症、寄生虫の専門の人です。
寄生虫の生殖を通して人間の性について考えるという内容のものです。
わかりやすく書いてあるので、面白い本でした。
なにげに淋病、梅毒など性感染症に詳しくなってしまいました。
この本から学んだことは、以下です。
まず一つ目。
生物において、雌雄同体(一個体が雄雌の生殖器を持つこと)が生じるのは、生殖相手を見つけられる可能性が低い場合であるということ。
植物などは移動能力がないのだから、当然に雌雄同体。
寄生虫など配偶者を発見できる可能性が低いものも雌雄同体。
二つ目。
生命体においては、雌の方が大きいのが当然である。
なぜならば産卵を行う雌は、体内の資源蓄積量が大きければ大きいほど生殖能力が高い。
そして雄の生殖能力は体の大きさに左右されない。
雄が雌よりも大きいのは、一部の高等脊椎動物に限られる。
3つ目。
生涯の間に性を変える種は、そうするべき合理的理由を持っている。
雄から雌へ変化する場合。
十分に成長した個体は、その体の大きさから生殖に有利である雌であるべき。
未熟なうちは、雄であるのが適当。
雌から雄へと変化するばあい。
このような種は、必ず雄がなわばりを持っている。
従って、体の大きな成長後はなわばりの維持に有利であるから、成長後は雄であるべき。
(ほとんどの種は、死ぬまで成長が続くことに注意。)
生涯で性を変える種は、必ずこの2つの場合のいづれかだそうです。
以上、ためになりました。


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