宗教、永劫回帰

7/25
ここ3日あまり、講談社現代新書の「神秘体験」という本を読んでいました。
行きつけの蕎麦屋の近くの古本屋の店頭のいわゆる100円本です。
私はこの手の新書ものは、2ど読むことにしています。
何であれ、そこの理論をある程度暗記し、頭の中で再構成できるようにするためです。
2度目は、蛍光ペンもって線を引きながら、ですね。
で、この本で猛烈に鮮明な理解を得ることができました。
午後1時頃、地下鉄大手町駅でのことです。
「永劫回帰」という概念がありますよね、あのニーチェが超人思想の中で主張した思想です。
この理解を助けたのが、「神秘主義」です。
「神秘主義」の主眼は、根元存在との合一体験にあります。
そしてこの根元存在は、「神」「自然」「エネルギー」云々となを変えて呼ばれます。
自我の解消と、存在の根元の知覚とそれへの帰還を目指す、宗教的、哲学的観念と申してよいでしょう。
(私個人の理解ですが、キリスト教や大乗仏教の救済とは、この合一を意味するのではないでしょうか)
対して、南インドに生じた概念として、「輪廻転生」というものがあります。
人の魂は、無限に転生を繰り返すという、きわめて観念的幾何学的で冷酷な思想です。
神秘主義が根元存在との合一ということをある意味救済概念としているのに対し、永劫回帰はこの輪廻転生の中で自我の永続を肯定するものです。
自我の解消という安楽を得ることなく、無限に続く自我を意図的に肯定します。
無限の命、と申してよいでしょう。
そこに於いて頼れるものは、強固な自意識のみなのです。
「永劫回帰」は言葉の意味は知っておりましたが、実感を伴って理解できたのはこの神秘主義との比較に於いて初めてでした。
まさに、「超人思想」ですよね。
永遠の自我など耐えられますか?
私は弱い人間です、一切の救済と解放が得られないとは、とうてい耐え難いですね。


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