文化、ニュースステーション

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昨今の報道によりますと、テレ朝系「ニュースステーション」」キャスターの久米氏が降板なさるそうで。
私、以前は氏にはあまり好意を抱いておりませんでした。
まあ確かに、客観的に評価して、かの番組内での発言が近視眼的であって大局の把握に書け、事象の基礎の理解が不足しているという点は否めないでしょう。
私が愚かだったのは、それが専ら久米氏本人に由来していると考えていたこと。
冷静に考えれば、彼の発言は当然に第三者が原案を作成しているはずです。
氏は最後に一言何かアドリブで言う程度で。
そこで発言原案を作成される方々も、視聴者の望む方向性に沿ったものを心がけていたはずです。
NHKよりも市場原理がストレートに作用する民放ですし。
結局番組の資質は、長期的視野においては視聴者が決定権者ということになります。
ともかく、以前の私は、久米氏を声高にののしってしました。
不快なら、視聴しないという選択肢があることを私は理解できなかったようですね。
内容とは無関係に表現行為は許容されるべきであるという、表現の自由を根底にすえる報道の自由を理解していなかった若かりし日々です。
久米氏の靴の紐を解くほどの価値もない私でした。
久米氏の真意は、自分の発言を客観的に評価して、視聴者自らに判断を下してほしいという点にあった可能性も十分にあると思います。
そういえばですが、実はあの「ニュースステーション」なる番組は、その表現の方向性という次元ではなく、内容がわかりやすいという点が最大の評価要因であったと、客観的には思われます。
「WTO」とか、そういう単語が登場するたびに解説を入れてくれるのは親切ですよね。
知らないことは恥ではないし、人はインストラクションさえ得られればいくらでも成長できるものです。
(むしろ知ろうという意欲を持たないことこそ恥とされるべき)
そういう意味では、教育効果の高い良質な番組だったとも感じられます。
ただ、最近はその点ではより質の高い「週刊子どもニュース」なる素晴らしい番組が作られてしまいました。
ニュースステーションは、毎日やっているという以外の優位点がなくなっちゃったのかなあ。


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