宗教、オカルト

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昨夜の続きです。
いわゆるオカルト一般の知識として、「リリス」なるものが存在しますよね。
(エヴァンゲリオンの第一使途もこれ)
このリリスは、アダムの最初の妻と言われる存在です。
アダムの妻はエヴァではなかったのか?
その疑問を、出展の聖書の創世記に求めましょう。
第一章の27に、「すなわち、神のかたちに創造し、男と女に創造された。」との記載があります。
ところが第二章の22に、「主なる神は人から取ったあばら骨でひとりの女を造り」という記載もあります。
一般的にエヴァは後者の際に創造されたといわれるので、前者の女とは何かという疑問が生じます。
この文理上の矛盾を深く突き詰めた(根拠なしに勝手に読んだ、もしくは考えることをしなかった)人々は、その記述を文字通りに受け止めました。
つまり、アダムにはエヴァ以前に妻がいたに違いない。
これがリリスの出自です。
この後はもう、妄想の世界ですね。
リリスは淫乱であったのでアダムに遠ざけられた、リリスは悪魔であった、アダムとリリスの間にリリンが生まれた・・・
ところでユダヤ教の経典の編集は紀元前6世紀のバビロン捕囚以降。
そのころの執筆陣には、4つの学派が存在したことが考証されているようです。
・ J学派、神をヤーウェと呼んだ。
・ E学派、神をエル(エロイ)と呼んだ。
・ D学派、申命記を継承。
・ P学派、祭司派
これらの四学派は、それぞれ異なった伝承を持ち、それを一つの書にまとめたのがユダヤ教の聖典。
(ある程度の学識をつめば、誰でも一目で各文章をどの学派が執筆したかは容易に判別できるらしい。)
この編集過程には、各説を矛盾背反にかかわらず、そのまま一つにまとめるという手法が採用されました。
その手法の意味自体、私のごときに理解できるものではないでしょう。
ただ、その結果として、上記の「リリス」なる奇妙奇天烈な存在が誕生した模様。
以前多大な興味関心を抱いていた人間だからこそ思うこととして、「オカルト」は底が浅い。


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