政治、責任

11/12
米軍のリンチさんが救出劇の欺瞞性を告白なさったとか。
当時の報道、彼女がイラク兵に強姦され虐待された、というものを疑問の余地なく受け入れていた自分を思い出します。
やはり私は愚かでした。
この経験が、(同じ過ちは今後一生繰り返しましょうが)、よき方向に活かされますように。
合衆国の開戦は妥当でない選択であったと思いますが、今撤退するのは許されませんね。
内容いかんに関わらず秩序を維持していた政体を自ら破壊した以上、新たに実効的統治を達成する責任を合衆国は負っているはず。
私が自分の能力を超えると思う問題は、ここにあります。
秩序を構築する責任を合衆国は負担している。
しかしそのための実質的不利益(=責任)を負担するのは、占領軍の個々の兵卒である。
すなわち、行為の決定主体と、不利益を負担する主体が異なること。
責任すなわち不利益を感受すべき根拠は、自由意志による選択の結果の自らの行為の帰結という以外に求められませんし。
軍隊への加入は、個々人の意思にゆだねられていた。
無理やりこじつけてもせいぜいこの程度。
この問題は、選挙の場合にもそのまま適用されますよね。
政策決定権者の判断ミスにより、大きな損失が発生した場合です。
憲法上は彼らは国民の意思によって選出されたと擬制されるわけです。
しかし彼への反対票を投じた人も、自分が望まなかったにもかかわらず、不利益を負うことに。
憲法制定権までさかのぼっても同じ事。
「国民」という現実には存在しない主体を想定して、その選択と擬制しないことには何も立ち行かず。
そして意に反する不利益を感受することになると。
「それ以外に政治運営の手段がない」という機能的な把握が、最も説明的なのでしょうか?


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