政治、大統領制と議院内閣制

11/22
結果論として、テロリズムにも価値があるのではないかと感じることがままあります。
すなわち、合衆国に対してイラクへの早期主権委譲を考慮させていること。
あれほど高圧的かつ先見性にかけたブッシュ氏が主権の早期委譲を考えることがあろうなど、私は予測だにしませんでした。
そして皮肉にも、テロリズムを効果的手段たらしめているのが、来年の大統領選挙、ひいては民主主義という政治制度そのもの。
これがもしも元老院のような寡頭政治だったら、決してテロリズムにひるむことはなかったと思うんです。
(歴史的に成功した寡頭政治は、ローマの場合のように個々の構成員の責任規範意識が極めて高く、決して己の死をいとわない)
手段は間違っていても、イラク人に早期に主権の委譲が行われるのは正しいことですから。
この様に考えるなら、結果として妥当な選択をもたらすことの多い民主主義という政治体制は、やはり優れたものなのでしょう。
でも、ナチスの歴史に明らかなように、ファシズムを可能としたのも民主主義なんですよね。
より妥当には、イラク侵攻を行った現行の賢明でない政権を生み出したのも民主主義というべきか。
最近我が国でも憲法改正が盛んに議論され、その主眼の一つに9条と並んで首相公選制があると思います。
それが妥当なのか否かは、私の理解を超えるところ。
合衆国が議院内閣制を採用していれば、イラク侵攻という先見性にかけた行動はなかったのではないかとも思います。
でも一旦侵攻したとなるやそのテロに対する抵抗値は、寡頭制よりは小さいでしょうが大統領制よりは大きいでしょう。
大統領制と議院内閣制の相違は、政治決断の迅速性と決断の継続性の程度問題。
どちらがよいとは、一概には決定しがたい問題ですね。
とりあえず、我が国の報道の論点として抜けているのか、意図的に無視されているのかはわかりませんが次の点。
それは、日本国憲法の根底の一つに国民自体の決定権に否定的側面がある、という観点です。
この価値判断は、個々の国民がバカだと言っているわけではないです。
ただ、投票による意思決定となると、下記のごとき問題があることに留意すべし、ということだと私は解釈しています。

  • メディア等の不正な圧力が働きやすく、それによって判断がゆがめられる
  • 議論がなされない
  • 忙しい人が多く、選挙に気を回せない
    国民により大きな決定権が委ねられた場合のメリットは、政治参加意識の向上と、自己の決断に責任が伴うことが理解しやすい点でしょうか。
    憲法起草者の方々は、前者が後者を上回ると考えられたからこそ、現行憲法の制度が定められたのでしょう。
    私自身は、議院内閣制でいいと思ってます。
    専門家でないので情報もなければ妥当な判断も下せないし。
    所詮犬福には難しいことわかんないし。


    戻ります
    inserted by FC2 system