宗教、マザーテレサ

12/2
少々前のことですが、「マザーテレサ」を福者に列するための審査が始まったという報道がありました。
面白いと思ったのが、叙階の要件として、「奇跡」の発生が要求されているらしいこと。
何でも本件では、「マザーテレサのおかげでガンが治った」とか、そういうやつだったように報道されてました。
昔から要求されている要件なので、やむを得ず、といったところなのでしょう。
どう考えてもとってつけたような「奇跡」で、苦労して探し出してきたという気配が濃厚です。
なんでも、教皇庁の奇跡の認定は、現在では恐ろしいほど厳格であるそうです。
あの有名な「ルルドの泉」でも、毎年何十万人もの人が訪れるに関わらず、奇跡と認定されたのはほんの数件だそうで。
(しかもどの例も同じ病気で、極めて稀に驚異的な自然回復の症例が見られるらしいです)
以上は些事で、本題に戻りまして。
最近分かったことはですが、「奇跡」とは本来的は「病気の治療」といった物理的作用を示すものではないらしいですね。
心の中に和を取り戻す働き、それこそが奇跡の本質であるそうな。
ちょっと昔(2000年ほど前のイエスの時代)には、病気は悪霊の働きと考えられていたそうです。
(源氏物語で加持祈祷やってるのとおなじ)
そこで、形式的には悪魔を追い払って病気を治したと当時の人々に分かるようにかかれてます。
でも本質は、その病んだ人の心に和を取り戻すことにあり、その結果として病気がいやされていることに過ぎないらしひ。
心の調和を取り戻すことで病気が治る、という因果関係は一概に了承しがたいものがあります。
でも、奇跡の本質は心の和を取り戻す作用にある、という点は私も同意できるように思います。
この程度の犬福すらわきまえている理屈ですので、教皇庁の方々は当然了承された上で、マザーテレサの奇跡を探されてるんでしょう。
なんとなく、本末転倒のような気がしますが。
でもそういった心理的な働きとなれば数も著しく多く、わざわざ認定するまでもないのかな。
奇跡とは、特別なことではなく、日々世に行われている事なのでしょう。
そこを「福者」(犬福みたい)に列するとなると、おかしな要件が加わってくると。
本件奇跡には疑いの声が上がっているという報道でした。
そもそもそれは物理的奇跡を要求するという要件そのものに対する疑念なのではないかと、感じられないでもありません。
実は私、マザーテレサってつい最近学研マンガ「マザーテレサのひみつ」みたいなのを本屋で立ち読みして初めてどんな人か知りました。
偉大かつ後世まで記念されるべき方とは思いますが、あやしい顕彰の仕方には疑念もあらずや。


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