政治、報道機関

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「経典を用いて報道をバラエティー化し、笑い話のようにし、必要な理論や路線をないがしろにしてる」
新聞の見出しのパロディーです。
テレビ朝日の事件。
「ニュースステーション」では民主党のシャドーキャビネットを30分間報道。
「TVタックル」では対北食糧支援の自民党議員の野次を拉致問題質疑に挿入したそうです。
それでテレビ朝日が非を認めて、役員を処分したらしひ。
新聞によると、ニューステーションは以下だそうです。
「同局でワイドショー的な報道が行われるようになったのは、1985年10月、「ニュースステーション」が始まってから。政治や経済を分かりやすく解説するため、制作に外部の制作会社を活用。ワイドショーやバラエティーの手法を取り入れ、キャスターの軽妙な語り口で人気を集めた。」
関係ないですが、あの番組の仕組みがわかってちょっと納得。
私が思ったのは、これは自民党が抗議するほどの問題なのかなということ。
そもそも、「Nステーション」に信頼を置いている人が存在するのだろうかという点が気になります。
あの番組はいつ見ても、基礎知識、大局視野、報道の慎重さ、品性といった要素の欠落ばかりが見えてきます。
視聴者は決して馬鹿ではない。
冷静にあのニュースを見れば、誰でもそれが信頼を置くに値しないと感じるはずです。
「Nステーション」で偏向報道をしたからといって、それに視聴者が影響を受けるというのはあまりに視聴者を馬鹿にしているように思えてなりません。
以上は一定以上の年齢もしくは良識を備えた人の場合のはなし。
まだ成長過程にある場合、Nステーションの「独善的口調」(ここの引用)に影響を受けることはあるでしょう。
しかしこれって、人間の成長において必要なことだと思います。
人は誰しも、左翼時代、もしくは共産党時代というものを経ているべきです。
(もちろんその時代には、いわゆる左翼や共産主義の意味はわかっている必要が無い)
いわゆる左翼は、それが普遍志向性に基いているからです。
(現実味を欠いた、純然たる反権力であっても)
その上で、いわゆる「左」の欠点を明確に認識し、かつその基本動機を保持し続けることで、良識ある有権者に人は成長できるのだと私は思いますが。
そいう意味で、「Nステーション」は青少年の啓蒙の役割を果たしていると思います。
あの番組は、当然にそんなことは意図して無いでしょうが。
やはりこの観点でも、本件では視聴者を馬鹿にしているのではないかと感じられるところ。
たかが偏向報道如きに、個人が一生の影響を受けるとでも思っているのでしょうか。
人は成長によって考えを変えることができる存在です。
自由民主党にしたところで、原理主義的な支持よりも、明確な価値判断に基き自民の欠点を認識した上での支持を得られるほうがよいでしょ。
(もっとも現状の学会票を考えると、理想論も怪しくなってくる。)
一報道番組にそこまで過敏に反応しなくても、と感じるところです。
記者会見あたりでさらっとテレ朝に釘をさしておく程度が、大人のやり方。
他の局でも同一時間帯にニュースはやってる訳で、視聴者はニュースステーションを見ない自由があります。
もっとも、上の「TVタックル」のはあまりに悪質が過ぎるので、抗議もやむなしといったところでしょうか。
(TVタックルって、あからさまなお笑い番組と視聴者は全員認識しているとおもいますが・・・・「タマ出版」者著さん元気かな?)
最後に。
一見事実歪曲のようなものが、実は新たな視点を提供してくれるという事実は無視できません。
「ニュースステーション」の独善的口調が、実はより適切な評価である場合は決して少なくないはず。
事実を適正に評価した上で「独善的口調」と同等の結論に到るべきなのですが、その過程が完全に欠落しているのがあの番組というところか。
「TVタックル」の野次の編集は悪質ですが、そもそも国会議員が無意味な野次を飛ばすという事象自体は考慮に値する問題です。


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