第一章

  • 序論

    クイズゲーム、誰でも一度は触れたことがあるでしょう。
    「子育てマイエンジェル」などいろいろなタイトルが浮かんできますよね。
    一体どのような機会にクイズゲームをプレイしたか考えてみてください。
    飲み会のあと、デートで、友人と集団で。
    筐体に100円の山を築き、みんなで知恵を出し合って大騒ぎをしながらプレイしますよね。
    「この問題俺知ってるよ」と自信満々で応えて間違ったときの気恥ずかしさ。
    マニアックなアニメ問題を解答して周囲から白眼視される様。
    その上更に最近のクイズゲームには必ず面白おかしい奇天烈な物語がついているはずです。
    これらの要素はとても楽しいし、それはそれで悪くないものです。

    ただここで自分が主張することは別にあります。

    • それはクイズゲームを挑戦の対象として理解すること。
    • そしてワンコインクリアーを目標にプレイすること。
    「ワンコインクリア」という語はあくまで象徴的なものです。
    仮にワンコインクリア(ノーコンティニュークリア)が達成できなくともよいのです。
    そこに向けて努力することこそが大切であり、そこに喜びもまた存在する訳です。
    こういったゲームとしては至極当然のことを自分は主張します。
    そのためにクイズゲームの方法論、楽しさ等を以下に述べてゆきたいと思います。


    私はクイズゲームを始めることを決意しました。
    しかしながら、ウェブ上にクイズゲームそのものの入門となる文書は存在しませんでした。
    クイズゲームの方法論の模索から、自分の道は始まったのです。
    そしてある程度の成果を上げることができました。
    そこで私はクイズゲームの概論となる文書を書くべきと思い立ちました。
    以上がこの文書を作成することを決意した次第です。

    自分はこの文書群を作成するにあたり、半年程度のクイズゲームの経験を積みました。

    • 「クイズなないろドリームス虹色町の奇跡」
    • 「クイズ&バラエティ、すくすく犬福」
    という2作品をアーケード、デフォルト設定でワンコインクリアしております。
    クイズゲームの経験としては決して豊かとはいえません。
    しかしながらその叙述は全て自分の体験に基づくものであり、客観的妥当性を持つものであることは保証致します。
    また自分が理解していない事項には言及を致しません。


  • 主題の提示

    クイズゲームはワンコインクリアーが可能である。

    この言明に疑念を抱かれる方は多いでしょう。
    その疑念も故無きものではありません。
    それは問題が悪いから、いってしまえば解答不可能な問題ばかりだからです。
    特にアニメ・芸能関係の問題、あまりにマニアックな出題ばかりですよね。
    であるが故に、下のような通俗的な観念が成立します。

    知るはずのない問題

    金を使わせることが目的

    クソゲー

    クリアできるはずがない

    しかしながらこのような思考は短絡的であり誤謬であると断言してよいでしょう。
    ゲーマーたるものの健全な思考とはいえません。
    自分は現に比較的短い期間でワンコインクリアを達成しております。
    また、他の方が素晴らしいスコアでクイズゲームをワンコインクリアなさる様をアーケードにて目撃したことがあります。


    「クイズゲームはワンコインクリアが不可能」との観念は公正な視点に立脚しておりません。
    そもそも何故にクイズは初回のプレイでクリアされなくてはならないのでしょうか。

    • 数多くのプレイを重ねる
    • 作品の特質を理解しようと頭をひねる
    • 自分の技術を磨き、パターンを作成する努力を積む
    これらは当然のことであり、その過程こそがゲームの根幹をなす要素です。
    そしてまた、ゲームの楽しみもここに存在します。
    この要素のない最近の家庭用ゲームを考えると上の言明の意味は明らかでしょう。
    主体性の要求されないものに、面白さが存在しますか?

    少々の具体例を提示します。

    • シミュレーションゲームなら効率的な内政と人材登用、各ユニットの特性を把握し、地形を覚えます。
    • アドベンチャーやRPGならばマッピングに会話等の情報のメモは必須です。
    • シューティングなら敵の出現位置、敵弾の撃たれ方をまず暗記します。
      そして敵破壊の順、自機移動と敵弾の誘導に関するパターンを模索します。
      そしえそのパターンを実行できるよう自分の技術を磨いてゆきます。
    シミュレーションやアドベンチャー、RPGが初プレイで行き詰まることなくクリアできますか。
    同じくシューティングを初プレイでクリアしようと思えば、それこそコインの山を筐体に築いてコンティニューの連発でしょう。

    クイズゲームとて事情はこれらと全く同じです。
    出題される問題を調べ、覚えてゆくこと。
    これこそがクイズゲームの本質であり、中心課題であり、スタートラインに立つための条件です。
    一度間違えた問題を覚え、次回には正解すること。
    この努力と正解という報酬が楽しさではないですか。

    そうであるのにクイズゲームにおいて上記の行為が実践されることはほとんどありません。
    この根本的了解が存在しないことがクイズゲームの悲劇といってよいでしょう。

    もう一度主題を繰り返します。
    クイズゲームはワンコインクリアが可能です。
    そしてそれは決して無理な要求ではありません。
    リアルタイムな操作と自己の技量が要求されないという点においてはシューティングよりもはるかに容易です。
    万人に到達可能な目標であり、誰にでも楽しめる領域。
    それがクイズゲームなのです。


    以上第一章でした。

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