「サンダーフォースゴールドパック2」に収録された一作です。
一番目は、それを探すこと自体が面白いと理解することができるはずです。
さらには敵の攻撃方法が多彩で、敵によって武器の有効性が大きく異なるという点も見逃せません。
さらに各面道中でも、場面にあわせて有効な武器が異なってきます。
最終的には、サンダーフォースシリーズ(1,2は未プレイ)の中では最も面白いと私は評価しております。
ただ、少々わかりにくいというか。
シルバーガンほどではありませんが、初期抵抗値がそれなりに大きなソフトです。
面白さを見いだすのに、少々時間を要する作品であることは間違いありません。
5種類の武器の切り替えと、任意のスピード調節という点において、3,AC、5とシステムは共通です。
一見しての他のシリーズ作品との相違は、横スクロールの道中が上下にも(恐らく縦幅2画面程度)スクロールするという点でしょう。
横シューで上下にスクロールがある場合に何が生じるか少々考えてみてください。
以上の2点が最も目に付くのではないでしょうか。
つまり、不快感ばかりが目立つわけです。
これを如何にとらえるか、ここがこの作品の評価の分かれ目でしょう。
道中別に敵の攻撃が激しいわけでもなく、その程度の事はバランス上も十分許容されるでしょう。
また、最も有利なルートを探すという、新しい面白さを与えてくれるのではないでしょうか。
2番目に関しては、敵の位置を覚え、移動に注意を払うことで十分に回避が可能です。
名作「グラディウス」シリーズと同じ面白さがあると考えてよいのではないでしょうか。
さらに本作では、ボス戦でも上下スクロールが可能である場面があります。
スクロールを利用して、ボスの弾幕の外に逃げたり、敵弾をスクロールアウトで消してみたり。
積極的に攻防に利用できるわけで、大変に素晴らしい発想でしょう。
家庭用機ではパッドという信頼性の低い入力装置しか利用できないのです。
うまく方法を工夫すれば、微妙な入力無しで敵の攻撃を完全に無効化できる素晴らしいシステムです。
(親指一本の方向キーと、指3本のスティックでは微調整の精度に違いがあるのは自明です)
アーケードゲームのように細やかな弾避けを要求された場合にどうなるか。
弾道がしっかり予想できていても、方向キーの入力ミスが頻出することになります。
不快感ばかりが高まりますね。
程度問題ではあっても、家庭用ゲーム機ではパッドという環境ゆえに、弾避けにはあまり頼れないのは論理必然であると思われます。
「パターン化」というシューティングの根本の楽しみはしっかり残されているわけですし。
このゲーム(正確にはシリーズ通して)で素晴らしいのは、なんといっても自機スピードの調整機能でしょう。
これも根本には、家庭用機のパッドという貧弱な環境に由来するものだとおもいます。
必要に応じて自機のスピードを変更すれば、微妙な地形をぬけるのも容易になるし、高速で敵弾を一気にやり過ごしたりすることも可能になります。
もちろんスピード変更に手間が必要になりますが、そこで要求されるのは「ボタンを押すこと」だけです。
見事に任意のスピードで画面内を駆け回ることができるわけです。
パッドだと(比較程度問題ですが)方向キーが信頼できない以上、精密な入力が可能なのはボタンのみです。
素晴らしい発想ですよね。
(もちろん格闘ゲームとなると、キャンセル技すらあのボタンではままなりませんが)
これを逆手にとって、ボタンの入力をパターン化させる。
つまりゲームの各所で「ここでスピード変更ボタンを何回押すか」をパターン化してしまえばよいわけです。
グラディウスシリーズの面白さと難しさの一要素に、高速での自機制御、というものがあると思います。
これはこれで素晴らしいと思いますが、正直なところ私には難しすぎです。
最低2速、できれば3速というスピードが望ましいゲームなんですが、私にはその制御が厳しすぎて地形衝突ばかりです。
フル装備でも、どこでも余裕で死ねるバランスなんですよね。
グラディウスは1と2を一周しただなので、とてもやり込んだといえるレベルでは無いですが、私にはあのバランスが厳しすぎです。
対してサンダーフォースならば、必要なのは速度変更のパターン化のみ。
私にはこちらの方がはるかに難度的にしっくりときます。
もう一つ素晴らしいのが武器選択というシステムでしょう。
(これもシリーズ通しての長所)
これ一つで万能、という武器が無いのが素晴らしいですね。
誘導弾のハンターは、地形貫通するものの攻撃力が相当低いし。
正面ショットのブレードは攻撃力が高いものの命中確認できないし。
極めて高性能のフリーウェイも、攻撃方向が固定できないのでどこでも使えるわけではありません。
皆長所短所がはっきりしているのがまさに「バランス」というものでしょう。
それにTF5のように、どれか一つの武器(つまりフリーレンジ)を無くしたらもうお終い、ということが無いのが一番素晴らしいと思います。
(最終面でコンティニューしても、余裕でクリアでるのがその証拠)
本作には「ヒットマーク」というものがあります。
敵にダメージを与えている場合には、武器着弾点が赤く小爆発します。
逆にダメージを与えていない場合には、武器着弾点は白く小爆発します。
敵に必至に打ち込んでみて、よく見てみるとヒットマークがでていない、という場面は頻出ですね。
したがって、敵のダメージを受け付ける部位・タイミングを調べて行くことが必要となります。
そして最も有効な武器を考える。
これが本作で一番面白い点なのではないか、と私は思いました。
精密なパターン化というアーケードシューティングに代表されるものとは異なったとはまた異なった、素晴らしい面白さですね。
試行錯誤や、程良く頭を使わせてくれるというのは、ゲームとして最も大切なことではないかと私は思います。
ここでももたもたしているとミスになってしまうのですが、必要なことは「スピード調整」の場面と同じく武器選択ボタンを押す回数のパターン化です。
なかなかこれが緊迫感に溢れて、実に面白いですね。
例えば、こんな例はどうでしょう。
グラ1で触手面にきて、装備がレーザーでゲージがダブルに合っていない場合。
「しまった、やられた」
このように思う必要がないわけで、大変親切でよいシステムです。
家庭用機のパッドの限界を十分に理解し、それを逆手にとって最大限に利用する。
まさにこのように評価してよいのが、本作の「サンダーフォース4」だと私は思います。
以下は些事を列挙したものです。
しかし、それを補うべくシールドはたくさんでるし、エクステンドも豊富だし。
十分許容範囲内ではないでしょうか。
(ノーミスクリアという次元になると、少々厳しいのかもしれませんが)
死角から弱点を一閃、とてもかっこいいではいですか。
練習をして、パターンを作りたいのにそれが途中でうち切られてしまうからです。
アーケードゲーム的視点ではワンコインクリアのみがクリアであって、コンティニューをした場合はそれはクリアとはいいません。
それはやはり、ワンコインクリアのみがパターンを作り上げ、製作者の想定したバランスでゲームをこなしているからでしょう。
とはいえ、そこまでプレイする人が比較的少数であろう事は予想されます。
ならばせめて制限クレジット内でのクリア、というのが家庭用ゲームとしての妥協なのでしょう。
オールクリア時に、残クレジットボーナスがつくのがその現れと思います。
実際、残機を5に設定して、フル装備コマンドを使えば十分に練習はできるのでさほど問題はないですが。
後半面をやりたいのに、時間がない場合だってありますよね。
せめてステージセレクトコマンドでもあればよかったのですが。
もっとも、同じくプレイ時間が長く、最後の最後のクラブが難関のグラ2にくらべたら、はるかに良心的ではあると評価できます。
何時のまにやら、サターン版の「サンダーフォースゴールドパック」はプレミアムが付いているようですね。
値段よりも何よりも、商品を目にする機会自体が無いというのが実状でしょう。
むしろメガドライブ版のほうが、安価で確実に入手できるようです。