私的名画


天空の城ラピュタ、宮崎駿

魔女の宅急便、宮崎駿

恋する惑星・天使の涙、ウォン・カーウァイ

ブレノスアイレス、ウォン・カーウァイ



天空の城ラピュタ、宮崎駿

自分は半分おたくなので、アニメが大好きです。
この映画、間違いなく100回以上見てますね。
誰か(それなりにラピュタを覚えている人)と二人でだと、全セリフを暗唱できるような気がします。
僕もラピュタにいきたいな。

この映画に関しては個人的逸話を書きます。
中学生の時、自分はこの映画のセリフをキャラクターごとに録音したテープを作りました。
「ムスカテープ」「ドーラテープ」「パズーテープ」を作った記憶があります。
これを見た友人が、それを借りてゆきました。
その彼が、各登場人物の声を組み合わせたテープを作ってきました。
たとえば
(パズー)「すごいエンジンだね。」
(ムスカ)「ラピュタの中枢だ、上の城などがらくたにすぎん。」
といった具合です。
馬鹿ですね。
最近になって知ったのですが、こんなテープをマッドテープといってコミケで売られているんだそうです。
自分は昔から馬鹿でした。

どうでもいいことなのですが、ラピュタにもエロ同人があるそうです。
どんな場面が想像つきますか。
ラピュタ場内での、ムスカとシータだそうです。
エロ同人は順列組み合わせの世界とはいえ、すごい想像力ですね。


魔女の宅急便、宮崎駿

またアニメということは気にしないでください。
この作品も、なんとかいいつつ2,30回は見ているでしょう。
公開当初も、劇場で3回見た記憶があります。
自分にとってこの作品は何かというと、「読書百遍意自ずから通づ」という格言を体感するものです。
この作品、13歳の魔女キキの心の動きを描写した作品です。
本当にこれだけ、文学的に高い価値を持つかというと、恐らく答えは否でしょう。
物語としても、魔界に行ったりするような心躍らす展開は皆無です。
正直に言って、面白くないでしょう。
自分も劇場で見たとき(当時はバカだった)、何が面白いのかちっとも解りませんでした。
それから何年かして、テレビで放送されます。
雨の中配達に行ったキキの帰りを待つパン屋の親父、心配しながら外を眺めています。
そしてキキの姿を認めるやいなや、店内に引っ込みます。
しばらくしてから、キキのことなど全く知らなかったような顔をして再登場。
とても素直な驚きだったのですが、(昔の)自分はこの場面を見て、親父の心情に共感してしまいました。
本当は心配でたまらないのに,カッコを付けて全く知らないふりをする。
テレビを見て、登場人物の心情が解ったのは初めてのことです。
これに気付いてから、この映画をよく眺めてみると、画面の各所から人物の心情が読みとれました。
アニメなので、強調して書くことができるからなのでしょう。
こういう意味で、見るたびに新しい発見があるのです。
今テレビ放送(金曜ロードショウ)を見終わった直後にこの文章を書いているのですが、見ていて何度も泣きそうになりました。
人の心が、痛いほどに伝わってくる作品です。
この作品でもう一つ好きなのは、その画面です。
まだコンピューターグラフィックが使われていない時代、すべてアニメーターさんの手作業です。
絵画のように細部まで書き込まれた美しい絵、しかもそれがディズニー並みにフルアニメーションです。
人の描いた絵って、見ていて温かい気分になりますよね。
物の怪姫など、画質はこれよりもはるかに高いですが、どっちがいい絵かというと間違いなくこっちです。
画面の関係ないところを眺め続けていると、これまた新発見の連続です。
最後に、曲がいいですね。
海の上をカモメと一緒に飛ぶオープニングの曲、荒井由実の「優しさに包まれたなら」。
特に後者なんて必ず一緒に歌ってしまいます。

恋する惑星
天使の涙
脚本監督、ウォン・カーウァイ

小説のような映画。
村上春樹の「風の歌を聴け」に似ているような気がします。
多くの独白と、いまいちつながりの見えないストーリー。
暗く、絞りの効いた映像。
動画ではなく、カメラのような画面。
自分はこの映画の何がいいのかが、よく分からないのです。
でも、両方ビデオまで持っています。
いい映画ですよ。
金城武がとてもいい役で、フェイ・ウォンの歌がとってもいい。
語尾をのばす広東語の独特の語調が、印象に残ります。

追加です。
少しこの作品の構造が見えたような気がしました。
神話的なのです。
どういうことかというと、物語はあくまで合理的で、何らかの事象を記すために存在します。
登場人物は明白な役割を与えられているのであって、それに至る経緯などは不要です。
具体的に例を挙げると、2人の男女は愛し合うという役割を与えられていたりするので、それ以外の要素はないのです。
「黒いオルフェ」と同じですね。
王家衛の非現実的な世界はまさしく神話的といってよいでしょう。
あの正体不明の広東語を話す店の主人などそう考えるとすっきりします。
彼の機能は男女を巡り会わせるということにあるわけで、だからこそひたすらに店の女性を薦めたり、メッセージを酒場に届けたりする訳なのです。


ブレノスアイレス
脚本監督、ウォン・カーウァイ

有名なホモ映画です、男性同士の性行為って初めて見ました。
というのはどうでもいいとして。
男と男の組み合わせを、男と女に置き買えてもそれほど違和感が無いので、「ホモ映画」というのは一面的な見方ですね。
自分はまだこの映画の良さが見えてきていません。
レンタルビデオで3回も借りてみたのですが。
きっとまだ回数が足りないのでしょう、「読書百遍意自ずから通ず」です。
哀愁漂うアコーディオンと、背徳的なブレノスアイレスの路地裏、そしてイグアスの瀑布。
何度も見たくなる作品です。



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