得点稼ぎ


ここでは、一般に「得点稼ぎ」と称される行為を概括的に検討してみたいと思います。
その意味するところは明らかではありませんが、筆者は一般に以下の意味で用いられれていると推測しています。

特定の行為によって、通常のプレイで得られるよりも高いスコアを獲得すること。

この、「特定の行為」とはゲームによってさまざまです。
筆者の知る限りでの、さまざまな高得点を得る機構を例に挙げて見ましょう。

少々考えただけでも、これほど多数の例が思い出されました。
これらは簡単なものから難しいもの、ゲーム進行において必須のものから不要なものまでさまざまです。
ただ、全てに共通する要素があるのですが、それは一体なんだと思いますか。
クイズですので、皆様考えてみてください。
解答は、本章の末尾にて発表します。


Shooting Game(仮)において、得点稼ぎは如何にして行なわれるか、まずは具体的に検討してみましょう。
このゲームにおいて、高得点を挙げるには以下の要素が考えられます。

本論の「ゲームシステム」という項目を読んでいただけるとわかりますが、上の二つはあまり重要性を持ちません。
すなわち、耐久力はたとえノーミスでクリアしてもボーナスはたったの三万点。
ノーミスは現実的でないので、数回ダメージを受けたとしましょう。
すると、既に耐久力半分程度でクリアした場合に比して一万点程度のボーナスにしかなりません。
撃墜率はマキシマムの100%7万点はかなり魅惑的です。
しかし、自機攻撃力に比して敵機の数が多い本作では、撃墜率はせいぜい9割程度でしょう。
となるとこちらも、一万点になるかならないかのボーナスに過ぎません。
ならば解答は判明しました。
本作で高得点を挙げるには、敵機を接近破壊することによるボーナスを取るのが最も効率的です。


それでは、接近破壊によるボーナスとはどの程度のものでしょう。
その調査のために、以下の二者で1面クリア時の得点を比較してみます。

この数値を見る限りでは、1面クリアの時点で既に8万点以上の得点差が生じていることがわかります。
ほぼ二倍の得点差ですから、かなり大きいと評価してよいでしょう。
ただ、もう一つ明らかな事実も判明しています。
得点を意識するプレイは、極めて危険性が高いということです。
具体的には、上記のシールドボーナスを見ればよいでしょう。
得点を意識しない場合はほぼノーミスであるのに対し、得点を意識したプレイでは体力が回復しきらない大ダメージを受けています。
同じように得点を意識していれば、恐らく二面、遅くとも3面でゲームオーバーは確定でしょう。


少々の小細工で序盤に点を取るくらいなら、少しでも先のステージに進んだほうが高得点が得られる、ということはいえそうです。
ただ、ここで一つ重要な事実を見落としています。
それは、上の比較資料の得点を意識したプレイは、闇雲に敵に重なりに突進しただけであるという事実です。
すなわちほぼ常に画面一番上に張り付き状態、中型機が出たら何も考えずに重なる、という内容です。
ですから、重なっている最中に弾を撃たれるなどして、無駄にダメージが蓄積しています。
ここでもしも、敵機の弾を撃つタイミングや適切な破壊までの撃ちこみ量を把握していた場合はどうなるでしょうか?

  • 赤中型機のみ重なり破壊(但し弾を撃たせて安全を確認してから重なる)、その他雑魚は遠方から安全に処理
    172780点、(シールドボーナス、18400点)

    このようにほとんど無傷にもかかわらず、得点を意識しない場合に比べて7万点もの高得点を取得することに成功しました。
    すなわち、このようなことがいえるのではないでしょうか。

    得点稼ぎは大きなリスクを伴う。
    しかし、適切なパターン化によってリスクは大幅に軽減することが可能である。
    ただし、そのパターンとは通常クリアに必要なものよりもかなり厳密さが必要である。


    ちなみに、本作における稼ぎの基本発想をあげてみましょう。
    倍率ボーナスに至る過程は、上述の通りです。
    実際に倍率ボーナスとなると、全ての敵に倍率を掛けることもできないので、その対象を限定する必要があります。
    そこで、1面登場の全ての敵機の得点を調べたところ下記のようになっていました。

    どうやら雑魚に倍率を掛けても無駄のようです。
    そこで目的は赤中型機、せいぜいミサイル中型機という程度に限定ができました。

    1面には赤中型機は10機登場します。
    2090点の赤中型機を全て5倍で全機破壊した場合、2090×5×10=104500。
    通常に壊したのみでは2090×10=20900です。
    この差約80000点ですから、倍率を意識すれば通常時よりも8万点程度は高得点をあげられるはずです。
    (この8万点の差は、上述の闇雲突進時の得点と通常時の差にほぼ一致しています)

    とりあえず、これで1面の目標スコアを割り出すことができました。
    通常時よりも8万点高い18万点あればよいようです。
    Shooting Game(仮)はスコアシステムが単純であるために、このように簡単に目標点を算出することが可能です。
    ですから、その得点を目標に具体的な5倍パターンを作成して行けばよいのです。

    二面程度までなら5倍パターンも簡単ですが、それ以降はこの上なく厳しそうに思われます。
    そこで少々簡単で退屈な序盤はスコアを狙い、難度の高い終盤は安全プレイというのもよい方針ではないでしょうか。
    いずれにせよ、2周目、3周目と順に進むのが堅実な高得点の挙げ方でしょう。


    以上、少々具体的にShooting Game(仮)での得点稼ぎの方法を検討しました。
    筆者が主張したかったのは、以下に列挙された事項です。
    必至に考え、悩み、試行錯誤するのは面白いですよ。


    ここで少々筆者の考えを述べてみます。

    少なくとも、始めてシューティングをプレイしようという方や、まだ経験が半年にも満たないという場合は、得点を意識しないほうがよいでしょう。
    どう考えても、得点稼ぎにともなう危険はその報酬を遥かに上回ります。
    そもそも、得点が入るよりも先に勧めるほうが報酬として大きいでしょう。

    しかし、実際のところ少々は得点にかかわる要素があったほうが面白いです。
    その際には、高得点を得るためのシステムがプレーヤーを上達に導くものがよいですね。
    たとえば、下のような要素が良いのではないでしょうか。


    最近のシューティングの得点システムは、少々厳しいものが多いように感じられます。
    通常のプレイなら適当な難度ですが、一旦得点稼ぎを意識する突然難度が高騰するのは如何なものかと思います。
    始めての人から上手な人まで楽しめるように、という配慮であることは理解しています。
    ただ、もう少し多くの人に得点を考える面白さを味あわせてくれても良いのではないでしょうか。

    特に「怒首領蜂」系統の、一定時間以内に敵を倒し続けるコンボシステムはあまりに厳しすぎるように感じます。
    恐ろしいほど厳密なパターンに、0.1や0.2秒程度のミスで途切れるコンボなどはあんまりです。
    全プレーヤー中、それを実践できるのは極めて低い割合であるはずです。
    (でもパターンを作成する過程がとても面白いですよね、1年やって2億出せない下手な私でもそう思います)

    「得点稼ぎ」の難度が高騰した代償に、成功した場合の快感が極めて高いものになっているのも確実でしょう。
    インカム確保のための、一種の麻薬のような営業的配慮なのでしょうね。
    ただ、その快感を味わえる人が恐ろしく限定されてしまっているのは困ったものです。

    以上、「エスプレイド」、「怒首領蜂大往生」で得点稼ぎの片鱗を体験した筆者の見解でした。



    以上です。

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